IDEA ~青年海外協力隊 en Colombia~

青年海外協力隊/2019年度3次隊→2022年度7次隊/コロンビア/マーケティング

配属先の問題点

※今回は、タイトルの通り、配属先の問題点について記述しています。コロンビア人が全員同じということでもないですし、あくまでぼくの主観であることをご了承ください。

 


先日、半年に1回の全チームが集まっての配属先の評価会(要するに活動振り返り会)がありました。

評価会の会場のイベントスペース?的な施設。

 

自分は特に出番はないだろうと思っていたのですが…。

その前日(日曜だけどそれまで集まる機会がなかったの仕方なく)、チームのメンバーだけで集まって翌日何を話すかの打ち合わせをしました。

 

一つのテーマとして、「チームの働き方」が決まったのですが、そこで上長から「おまえはどう思っている?」と振られ、正直に(かつ少し申し訳なさそうな感じで)思っていることを伝えてみました。今の時点では、現地の人・事に対する自分の認識がそもそも間違っている、極少数派を見てそれが一般的だと思い込んでいる、といったことも充分あり得るし、そもそもどこまでが文化の範疇かも線引きできないので、そういったこと(今回のケースでは働き方)の言及はしていませんでした。

 

が、まさかの上長から「明日はこのことをお前が話してくれ、私もそう思ってたから」ということで急遽出番が回ってくることに。

一応上長のお墨付きがあるとはいえ、やはりどこまで正直に話していいのかはかなり迷いました。農家の方への支援についてもそうですが、現地の人の文化や習慣までを変えようとはさらさら考えていません。自分が話した内容で、いやいやそんなの無理でしょみたいに思われて、強硬的な人と誤解されても困るし…。

 

最終的に、遠慮しても仕方ないし、分かってくれる人だけ理解してくれればいいやと思い素直に全部伝えることにしました(もちろん言い方は柔らかく)。

発表時の様子。一番右の一番リラックスしてるおじさんはドイツ人です笑

 

今回伝えたのは3点↓。

 

①各メンバーが個々に仕事をしている。

チームの同僚は、それぞれ得意分野や専攻があり、個性的です。

しかし、個別に動いていることが多く、連携が取れていないことが多いです。

会議で上げた例として、

恐らくぼくがピエデクエスタで2回Tallerをしたこと、そしてその内容を知らない同僚も多いでしょう。もしそれを把握していて、誰かが農家の訪問をした時、合致する問題点があれば、資料をすぐに共有したり、ぼくに繋ぐことができるのではないか。

ということです。

解決案としては②と共通なので後述。

 

②会議に時間を取られすぎている。

とにかく会議の時間が長いです。頻繁にあるわけではないですが、あれば最低でも半日、長ければ1日中ある始末です。

また、会議という形でなくとも、誰かと誰かが1日中ずーっと打ち合わせをしているということもあります。

 

正直話が長すぎて会話にほとんどついていけてないですが、会議の内容は「報告」が大半な印象です。

なのでこの項目で伝えたことは、

・会議は「過去」の話をする場ではなく、何かを決める場、つまり「未来」のことを話す場である。

・過去の仕事を無視するわけではなく、前もってドライブなどで仕事(過去)内容を共有し、会議前に確認をすませること。→目で読むことは、口での説明よりも遥かに早い。

・会議では、その報告を見て出た疑問・意見・解決案の交換、討論のみをする。

・ドライブで常に共有することで、会議の有無に関わらず同僚が何をしているかを把握し、お互いに助言し合うことを促すことができる。

 

③資料を一切作らない。

上述のように会議はいつも長丁場ですが、その間資料を使うことはほとんどありません。これは農家の方との会議も同様です。

資料が全てだとは思っていませんし、時には資料を作る手間よりも口で話してしまった方が早いこともあります。が、やはり何時間にも及ぶ会議なら、資料があった方が良いでしょう。

・内部の資料はシンプルでも良い。

・資料のメリットの一つは、単純に理解することを容易にするということ。人間の集中力は45分、最大でも90分が限界であり、資料もなしに2時間話しても記憶に残らないだろう。

・もう一つのメリットは、資料は記録として残るということ。会議に参加できない人や、新しい同僚が入ったときに記録がないと、誰かが付きっきりで仕事やこれまでの流れを説明することになってしまう(そういえば自分が着任した当初、これまでの活動報告など、仕事を把握できる資料があれば欲しいと複数人に頼んでも全くもらえなかったのはそもそも存在してなかったからなんだなーとこれを書いていて気付きました)。コミュニケーションは非常に重要だが、不必要に時間を取られるのは良いことではない。

・資料は一度作れば、何度も使うことができ、結果的に時間の節約にもなる。

・ぼくが日本食の作り方を30分かけて口頭で説明するのと、写真や動画もある資料を使って10分説明したのとでは、後者の方が理解度が高いでしょう。

・外部向けはきれいにつくった方が良いが、データなら状況や時代が変わってもその箇所だけ修正すれば良い。

こんな感じのことを伝えました。

 

あとは一応例として、自分の日本での職場の場合は、会議の時間は15分~30分を週1回だけだったとか、会社へのプロジェクトのプレゼンも15分程度だったとかそんなことも話しました。

 

チームのプレゼンが終わった後のコメントタイムでは、何人かぼくが言ったことは興味深いねと言ってくれたので、とりあえず変な感じにはならずに良かったなーと安心しました。

 

その後お昼はいつも仲良くしてくれる管理部の人たちと食べたのですが、隣に座った人が「私はお前の発表気に入ったよ」とぼそっと言い、他の人たちが一斉に親指をぐっと上げるという、よくぞ言ってくれた感はあってそれは嬉しかったのですが、大っぴらには言えないのかなーと闇も感じてしまいました。

 

元々管理部の人たちとはこんな話をしたことがあって、同じ考え方の人ということは分かっていました。そして、その問題は他のチームも一緒だということも聞いていました。

おやつで出てきたSalpicón。
スペインではシーフードサラダのことだけど、コロンビアでは果肉たっぷりのジュース。

 

そして、この日の評価会を通じてそのことを深く実感することとなりました…。

 

元々この評価会は朝7時開始、18時半終了というとんでもない時間設定だったのですが、まず午前中のプログラムが、16時頃にようやく終了しました。そして最終的に全て終了したのが20時過ぎ。なぜこんなことになったのか、その理由の一つにはやはり資料がないということがあると思います。

 

13時間の長丁場で、資料を使った説明は誰からも一切ありませんでした。

当然事前の情報共有もありません。なので、会議内で一から説明する必要があります。

また、資料を作らないから話す内容もまとまっておらず、結局思ったことを自由に話してしまい一人一人の話す時間が長くなるんだなーと思いました。

 

では、同僚の人たちはこれが当たり前、13時間の会議だろうとへっちゃらだぜって感じなのかというとそうでもなく、18時を過ぎたあたりからぐったりしたり、スマホの利用頻度が上がったりと明らかに集中していない人が大半でした。

 

19時半くらいにようやく終わりかというところで「それでは最後に全員から感想を…」みたいな流れになった時、管理部の人を中心に「時間押してるんだからそんなのいらねーだろ」みたいな声が上がり、何人かは帰れなくなるからと先に帰ったりする始末でした。

 

まあ、そんな感じなので、正直それぞれの仕事でも効率よくやっているとは到底思えないし、この先も変わることなく同じことの繰り返しなんだなーと思いました。

 

農家の方への支援もそうですが、求められていないことをやるつもりは全くありません。前述の通り文化や習慣を変えようとは思ってないですし、支援と言っても自発性がない方へあれこれするつもりもありません(もちろん提案はします)。

 

今回ぼくが話した内容を受けて、同僚たちが状況を変えたいと本気で思ったならいくらでも改善案は提案しますが、そうでもないようならこちらも何も動くつもりはありません。その時は会議の度にストレスを抱えると思いますが、管理部の人に愚痴って2年間乗り越えるしかないですね。

 

ブログでは、任地や配属先のマイナスなことを書かないようにしています。また、良くも悪くも感情的にならないように、最低でも1日・2日空けて書いたりするのですが、今回思ったことは逆に鮮度が高いうちに書き残すべきだと思い、その日のうちに下書きしました(家に着いたのは21時だけど…)。

 

良くも悪くも個人主義な働き方の組織にいるので、自分は自分のやり方で仕事を進めていければと思います。