IDEA ~青年海外協力隊 en Colombia~

青年海外協力隊/2019年度3次隊→2022年度7次隊/コロンビア/マーケティング

活動報告会 en ボゴタ

先日2泊3日で首都のボゴタへ行ってきました。

目的は、活動の報告会やら上院議員との懇親会、安全対策協議会など。

飛行機から見たブカラマンガ

ボゴタの中心、ボリーバル広場

 

報告会は本来は任期終了間近の隊員がするらしいのですが、今回は安全対策協議会のついでに皆さんやってくださいということなので、現状の報告と今後のプランを話しました。

現状を整理するいい機会にはなったので、とりあえずしばらくは3つのことを進めていこうかなと考えています。

 

1.マーケティング基礎のTaller(ワークショップ)の継続

何度か農家の方との会議に参加してマーケティングの問題点を聞く機会があったのですが、なかなか具体的な回答を得ることができませんでした。

それはスペイン語の問題や、まだ信頼がないからだと思っていました。

しかし同僚の書いた議事録を見てもざっくりとした内容しか書かれておらず、何が知りたいのか、何が問題なのか全く見えてこず、10月末(着任から2か月、本格的な活動開始から1か月)までは危機感を感じていました。

とある日、事務所で今後のやり方について考えていた時ふと気づいたのが、彼らは具体的に何が問題なのか、何を改善するべきなのかというのがそもそも分かっていないのでは、だから漠然とマーケティング面の改善をしたいという回答しかできないのでは、という仮説です。

それを思いついて過去の会議や会話を振り返ると、しっくりきました。

そこで、月1回ピエデクエスタで行われているマーケティング会議にて、マーケティング基礎のTallerを継続し、彼ら自身で自分たちの問題点をあぶりだしてもらいたいという結論になりました。

なぜなら、自分が直接問題を改善するのではなく、解決のための素材を提供することが大切だと考えているからです。

マーケティングはかなり多岐にわたる内容です。2年間(なんならあと1年9か月)で状況を改善するのはかなり難しいです。そうなると、やはり今後5年、10年と彼らが継続していけるような方法を一緒に探していきたいと思います。

それに彼らの文化や習慣までも変えようとは思ってないですし、こちらもやり方を強要はできません。彼ら自身が何をするべきか考えて、必要なら相談に乗るという形で進めていくつもりです。

ちなみに初回のTallerの後、早速一人の方からメッセージを頂きました。その方は、加工品を作っているので、Tallerで今後のプランとして提案したポップの書き方をぜひ教えてほしいという内容でした。こういう意見を頂けるのはこちらとしてもとても助かりますし、もしそれで成功談ができたら他の農家さんへも共有してらえればより効果的になるかなと思います。

報告会の様子。カウンターパートと一緒での報告でした。

2.会計

農家の人たちはコストや売上を記録していません。これは大きな問題となると考えています。

例えば今後加工品を作るとして、いくらで売れば利益になるのかが分からないからです。金額によっては、果物や野菜そのままで売る方が楽で利益になってしまうかもしれません。

それに売上を記録することは需要を知る上でも重要となります。

ジャムを作ったとします。コロンビアの人はどれくらいジャムを消費するのか、何に使うのか、いくらくらいだと高いと感じるのか、甘いのがいいのかさっぱりしたのがいいのかなど、外国人の自分では判断しきれません。顧客と直接関わることのできて当然現地人の文化を知る農家が自ら記録を残す方がいいかなと思っています。

次回のマーケティング会議のテーマが会計なので、早速そこから何か始めていければと考えています。

 

3.San Vicente de chucurí でマーケティング委員会の設立

この内容に関しては、ディレクターとコーディネーター(カウンターパート)から今のところ唯一明確に依頼された仕事です。

配属先では、主に2つのエリアの農家を支援しています。一つは前述のピエデクエスタ(任地から車で30分程)。こちらは既にマーケティング委員会が立ち上がっており、10月から月1回会議を実施しています。自分もその場でTallerを行っています。

しかしもう一方のSan Vicente(任地からバスで2時間半)ではそのような委員会が存在しません。農家同士の情報共有の場、こちらからの情報提供の場が必要ということで依頼がありました。

 

これは関係性の構築が必要ですが、自分の活動の為にも早く設立する必要があるので頻繁にSan vicenteに通いたいと思います。

報告会用に作った対象エリアの図

 

ちなみに、11月頭に大きな仕事の状況の変化がありました。

 

とある日ディレクター、コーディネーターと、ディレクターの甥のマーケティングのエキスパート(?)を迎えて打ち合わせがありました。近々上記の現状での自分が思った3つの問題点、解決案等のプランをカウンターパートに共有したいと思っていたところなので、その場を借りて全てを伝えました。その時ディレクター、コーディネーターが「あと、新しいマーケティング担当の採用はしなくていいね。」「私が言ったこと、分かってくれました?」みたいな会話をしていました。何のことかと思ったら、会議の後コーディネーターに呼ばれ2人で話をしたところ、いつも一緒に行動をしている自分以外の唯一のマーケティング担当に病気が判明し、今後は出張はせず、事務所にも来たり来なかったりになるとのことでした。

なので新しいマーケティング担当を探すかどうかということになっていたんだと思いますが、その場で言われたのが、「今日からマーケティングのことは全て任せる」ということでした。

 

正直、その時点で現状把握も農家の方とのコミュニケーションも全く足りていないと思っていたので、自分のプランに対しては当然何か言われるだろうし、むしろ修正してほしいくらだったのですが、そこまで信頼を得られるとは完全に想定外でした。期待に応えるためにも、出来る限りのことはやっていきたいなと改めて思っています。

 

とはいえ、マーケティング面に限らず農家の抱える問題はかなり多いので、後任のボランティアは必須かなと感じています。今年中に募集の依頼を出して、スムーズに採用ができれば自分が帰国した後隙間なく後任が赴任できるそうなので、その点もカウンターパートと相談して進めていければと思います。自分としても後任がいるならより長期目線で活動方針を考えやすいですしね。

 

2月には今度は配属先に調整員が来て、配属先へ向けての活動プランのプレゼンがあるそうです。冬休みに入るまで1カ月を切っているので、それまでは調査を継続して、より具体的なプランを練っていきたいと思います。