IDEA ~青年海外協力隊 en Colombia~

青年海外協力隊/2019年度3次隊→2022年度7次隊/コロンビア/マーケティング

大学で講演

日本を発って5カ月が経過しました。

日本では全国で寒波の被害が出ているようですが、任地のブカラマンガは春が来たようです。確かに12月までは最高気温が27度くらいでしたが、最近は31度くらいと若干高くなっています。

事務所の前の道の木に花が咲いて、春が来たことを同僚が教えてくれました。日本みたいに明確な季節があるとわずかな気温差では季節を感じることができなかったけど、こういうのを見ると実感できる。

 

そして先日、赴任当初に語学訓練で通っていた大学で、日本のビジネスについての講演を学生向けにしてきました。

その大学は最近協力隊の申請を3件出したのですが、その隊員が来るまでに、今ブカラマンガ近辺にいる隊員と協力して何かできないかということで声をかけてもらったという流れです。

 

テーマとしては「日本とコロンビアの文化とビジネスの違い」というのを提案されましたが、配属先のNGOのことしかコロンビアのビジネス事情は知らないので比較は難しいなーと思い、自分の過去の仕事の不動産開発と路上生活者支援について、そこから派生して日本の貧困問題について話してきました。

 

かなり立派な広告を作ってもらってました。

 

講演は普通の教室でやるのかと思ったら、キャパ150人くらいの立派な講堂で、しかも生徒も先生も多く来て頂いて25人くらいオーバー、急遽椅子を運び入れたりして30分押しでスタートとなりました。

 

貧困問題という少しテーマから逸れた内容ということもあり、学生の興味とマッチするか少し不安でしたが、非常に熱心に話を聞いてもらえて安心でした。

ちなみにコロンビアは高校がないので、16歳から大学生となります。日本の高校生が、自分の興味のある学問を選んで積極的に学ぶなんてなかなか想像できないですね。

 

生活保護の水際作戦など、日本の闇の部分を伝えました。

 

質問タイムもありましたが、そこで質問できなかった生徒たちが終わった後も何人か直接質問に来たりと本当に勉強家です。

印象的だったのは、一人の女の子が、「日本では米は秋にしか収穫しないの?それなら秋以外はどうやってお金を稼ぐの?」という質問です。これは、一年中気温がほぼ同じコロンビア(地域によって気候差はあるけど)に住む人ならではの疑問ですね。反対にぼくはコロンビアに来た時に、一年中夏の任地でミカンがどこでも売られていることが不思議でした。ミカンと言えば日本では冬の果物、少なくとも暑い時期に食べるイメージはないので。他にも、イチゴなんかもどこでも売っています。もちろんそれぞれ日本のものとは品種が違うと思いますが。

 

あとは一人の男の子が、北朝鮮の住居のシステムについてどう思うかという質問をしてきました。話を聞いてみると、要するに北朝鮮は裕福さによって住むエリアが決められる(多分、首都の人はマンションとかしっかりした建物に住んでいるけど、地方の人はそうではないってことについてだと思う)けどそれはどうなのか、という質問。

ぼくはただデベロッパーをしてただけで制度的なことに詳しいわけではないので、なぜそんな質問をしてきたのかは謎でしたが…、とりあえずあまりエリアを分けすぎると、貧しいエリアは更に貧しくなっていくし、裕福なエリアはより裕福になっていくので格差が広がるんじゃないかなというふわっとした回答で逃げました笑

純粋に聞いてみたかったのか、ちょっとしたマウントなのかは分かりませんが、若いのに色々考えているんだなーとそこは純粋に感心しました。

 

この大学には留学生もいますが、ほとんどはエクアドルやブラジルなどの南米から(セントルシアから来ているというかなり珍しい学生も)、アジア圏からは全くいないということで、日本のことを直接日本人から知る機会は貴重だったんだと思います。

 

今回色々話す内容を考えて、ビジネス的なことよりも貧困問題などの方をより多く話したいなーと思い、改めて自分は一般的な会社にいるよりも、今の協力隊やNPOで働く方が遥かに意欲的になれるし、居心地も良いんだなと感じました。

 

今後も直接的な配属先での活動とは別に、こういった外部の活動もちょこちょこできればと思います。